
海と山が横たわる都市・神戸が舞台の芸術祭「港都KOBE芸術祭」。秋めいて来ました。旅行気分で散策してみましょう。
神戸開港150年を記念して、市内各地でアートイベントが開催されています。船で徒歩で自転車で、散策してみました。
古巻和芳の《九つの詩片-海から神戸を見る》歴史とともに言葉を紡いできた神戸の詩人たちの声を風景に掲げる作品。
ガラスに書かれた「詩」を通して景色を見る、大正モダン、戦中戦後、そして震災。街の記憶とともに言葉はある。
筆者も被災しました。震災の記憶は乾いた思い出になっていますが、こんな言葉に触れると心が震えます。もう20年前か・・何とか生きてきたなあ。感傷のきっかけになりました。
《shakkei-kobe port》 は木目が持つゆらぎのリズムをテーマに制作を続ける小曽根環の作品
ポートアイランド北公園の岸壁に設置された透明アクリル板。向こうに様々な景色を見たという意見が寄せられています。
大震災を経験した人の見る神戸、以後に生まれた世代が見る神戸。作家の意図を超え、 アートは人の懐にはいりこみ、個人的な意味を持ちはじめています。
芸術祭開会式には久元市長も参加。中高生の「神戸ユース・ジャズオーケストラ」の演奏に送られ。第一便出発しました。
スタッフに見送られながら出港
出航してすぐに見えてくる三菱の工場。潜水艦がドックに入っています。 神戸でしか見られない景色です。
神戸港をめぐるアート鑑賞船
船内ではNPO DANCE BOXのパフォーマンス《ダンスの天地》があります。
《風になるとき2017」《そのむこう》西野康造
それから巡航。突堤や海中に設置されたアートを船から眺めていきます。
海のアートは準備もたいへん。会場からクレーンで吊り下げる作業はたいへんだったようで(しかもいきなり台風が来たので、厳戒態勢=無事に乗り越えました)
《風の回廊」 井上廣子+井上凱彦建築計画事務所
陸地からは近づけません。船から見ましょう。
海から見たら、陸地からも見たくなります。各会場は突堤の端っこにあったり、私有地にあって入れないのもあります。それは船から鑑賞しましょう。
《ウインドキャラバン」新宮晋
帆船型の遊覧船が背景になります。
《world tree」植松琢磨
観光客の撮影場所になっています。
フェリターミナルに設置された《POST PARADISE PROJECT (prototype_01)》椿昇
ポートターミナルも会場になっています。《独流碱河(Duliujian River)》張錳(Zhāng měng)
ポートターミナルも会場になっています。
《times_tower》 林勇気
市内各地を巡る作品もあります。
《『旅するイカリ』港都KOBE150景》 山村幸則
作家自身が作品である「絵葉書の余白」と「イカリ」で神戸各所に現れます。
メリケンパーク入口にある《フィッシュ・ダンス》 フランク・オー・ゲーリー忘れずに見ましょう。
メリケンパークに新しく設置された「BE KOBE」
撮影名所となっています。次の順番の人がシャッターを切る段取りで進むようです。
神戸アートマルシェは今年で10年目。3年目からメリケンパーク・オリエンタルホテルを会場となっています。
神戸アートマルシェは今年で10年目。3年目からは神戸オリエンタルホテル13階ワンフロアを借り切って開催しています。有料入場者集も年ごとに増え、作品の売上額も伸びているそうです。
神戸ポートタワーを借景に
CREAM。ジャケットに並ぶ右端は若かりしエリック・クラプトン。
「Boh Boh」のテキスタイル作品。テラスで即売していました。
公募で選ばれた國久真有。神戸芸工大院生。
ありmofuはバスルームで展示
豪華客船「飛鳥Ⅱ」がやって来ると、みなさんアート鑑賞の手を止めて眺めていました。このロケーションならでは。
景色がいいので、部屋よりテラスに行きがちな会場。
灘五郷の酒蔵が、ひと部屋を借り切って「酒バー」を開催。
晴れた日はアーティストも接客を忘れ、テラスでまどろみがちです。
(知り合いが来ると酒を抱えてテラスへ一直線・・とか)
窓からすぐ近くに見えるポートタワーや、海洋博物館、高浜岸壁に着岸する観光帆船、観光地であるMOSAICの向こうには川崎重工の第4ドックが見えますアート好き+工場萌えには絶好のロケーション。広いテラス付きのスイートルームふたつをサービスルームにしています。ひとつは灘五合の酒蔵が参加した日本酒バー、もうひとつは紅茶の館です。歩き疲れたら休めます。お酒は¥500,紅茶は無料サービスでした。
神戸は神戸らしく。素直にそれが表現できた港都KOBE芸術祭。スタッフの方々もがんばっています。働いていて気持ちいい。
連携イベントもいろいろあります、六甲山頂の「六甲ミーツアート」は11/23まで。六甲牧場で羊と遊べます。11月最初の連休からはじまる、長田駒ヶ林地区での「下町芸術祭」も毛色の違った楽しみ。下町はお好み焼き/そば焼きのメッカ。神戸のソースをぬりたくって食べてください。
場所が広範囲にわたるので自転車がオススメ。神戸市役所やメリケンパークとか市内10ヶ所にポートがあります。(阪神タイガーズロゴ入り!)
神戸コミュニティサイクル「コベリン」。1日500円。
陽の加減によって、陽が落ちて照明が入って、作品は違った表情を見せます。鑑賞者は自分の都合で海から陸から見たい方法で鑑賞できます。ふらりとアート散歩、楽しみを見つけてください。
《UNDER THE BRIDGE》 ドットアーキテクツ
「六甲ミーツアート芸術散歩2017」は六甲山頂で開催中です。
神戸開港150年記念 「港都KOBE芸術祭」
会 場:神戸港、神戸空港島
会 期:2017年9月16日(土)~10月15日(日)
参加アーティスト:井上廣子+井上凱彦、植松琢麿、NPO DANCE BOX、小曽根環、川村麻純、小清水漸、古巻和芳、新宮晋、椿昇、ドットアーキテクツ、西野康造、西村正徳、林勇気、藤本由紀夫、やなぎみわ、山村幸則、于向溟、崔栽榮、張錳
U R L:http://www.kobe-artfes.jp/
My自転車で散策中