「琳派」今様 椎橋和子の世界

ARTLOGUE 編集部2018/08/07(火) - 02:30 に投稿

NYのギャラリーの紹介で椎橋和子展をパリで実施したのが出会いだった。西欧で15年結果を出し続ける日本画作家、椎橋和子にとって、この東京アートミュージアムでの展覧会は、非常に感慨深いものがあると思う。その作品を見た人々は異口同音に美しい、華麗、繊細、ダイナミック,,,と言う。或る人は作品の前に立ちつくす。言葉をかけに近づくと、目に涙を溜めて、感動したという。

こういう光景を私は幾度も経験した。静寂と強い空気感、宇宙のような背景は複雑な色調による。大胆に施された金箔の月、誇らしげに、楽しげに、或は囁く花の描写。自然への賛美というよりも、より密やかでパーソナルな物語を作り上げる。どんな時に、何を感じて、こういう絵を描くのですかという質問に答えが見つからない椎橋和子が居る。言葉に出来ない感性であり、彼女の手のみが知っている。作品を見た人に響くものがある時、世界が共有する心が見えてくると思う。

パリ在住、展覧会オーガナイザー九鬼惠依子

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