十一面観音立像 高月町落川 浄光寺

ARTLOGUE 編集部2018/08/02(木) - 21:26 に投稿

「東京にある、長浜の観音堂」をコンセプトに、約2か月交代で滋賀県長浜市から観音像にお出ましいただき、そのお姿を通して長浜の暮らしとそこに住む人々の営みを紹介。 ≪十一面観音立像 高月町落川 浄光寺≫  室町時代 木造 落川集落の観音堂、浄光寺の厨子内には、3躯の仏像が並んで安置されている。 中央には本尊十一面観音菩薩、向かって右に薬師如来、左に阿弥陀如来の3躯である。一般に三尊といえば、中央に如来、左右には脇侍として菩薩を従えることが多いが、ここでは逆に菩薩の左右に如来を配するという、極めて稀な配置をとっている。 

3躯とも地方仏的色彩が濃く、多くの共通点がある。同一の仏師かあるいは同系統の仏師(湖北地方で活躍した仏師か)による同時期の頃の作と考えられ、その構造・技法・表現などから制作時期は室町時代の頃かと推測される。 浄光寺は寺伝によれば延暦年間(782~806)、己高山(こだかみやま)に最澄が逗留した折り、己高山鶏足寺の末寺として建てられたと伝わり、己高山仏教に関わる天台宗の一寺院として繁栄したという。幾多の戦乱や政治的変遷を経て、寺勢は次第に衰退し、戦国時代には兵火にかかって荒廃し、その後、村人の手によって守られてきた。現在は、自治会で選任された堂宮1名と観音堂世話方4名が中心となって護持を担っている。また観音さん当番という役もあり、毎月17日の観音参りの日に、堂内を掃除したり、お仏飯やお花を供えたりする。

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