緑濃き夏の盛り、身にこたえる暑さをしのごうと、涼をもとめる季節となりました。 鳥や魚の息づく水辺の景、清涼な空気に満ちた山あい、飛沫ほとばしる滝。日本では、さまざまな時代にわたって、涼を感じる豊かな自然が描かれてきました。とりわけ水は涼しさを運び込むモチーフです。また、古来水を司る神と考えられた龍は、良いことが起こる前兆や権力の象徴としても好まれた主題の一つです。さらに、異形の類で納涼といえば、身の毛もよだつ妖怪画も忘れてはなりません。涼をたのしむ、それは今も昔も変わらぬ、夏ならではのよろこびといえるでしょう。
本テーマ展では、館蔵品を中心に「涼」をキーワードに選りすぐった絵画を特集陳列します。室町時代の花鳥画から、明治時代の妖怪画にいたるまで、本展を通じて各時代に描かれた多種多様な夏の風情をご堪能いただければ幸いです。
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上位美術館・ギャラリー
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