森本愛子 Aiko MORIMOTO 花庭/合戦絵 Flower garden/Battle scene
2018 絹本彩色、天然顔料、天然染料、膠、金泥、銀泥 35x33.5cm
森本愛子は、天然の顔料や素材にこだわって制作を続けてきた。それは、彼女が大学院で保存修復を学ぶ以前から取り組んでいる古典絵画の技法によるものであり、それぞれが自然から与えられた素材感は、彼女の表現を支える一部となっている。森本は、人工物である文様と、自然物である動植物や人、さらに器物などを組み合わせ、新しい構造をもつ絵画を創り出すことを制作のコンセプトに掲げる。古くからテキスタイルや工芸品に用いられてきた文様に、絵画的構造を見出し、それを自らの制作に取り入れることによって、新しい物の見方を表現したいと考えている。彼女は創作の源流をひとつのジャンルに求めるのでなく、広くアジアで長きにわたって培われてきた平面表現の要素を取り出す。さらに、見た目のリアリティを追及する一点透視図法や、陰影を駆使する西洋の伝統的絵画とは異なり、独自の構造をもつ絵画に挑戦しているのだ。日本画の材料を使用しながらも、森本の作品はそのジャンルにカテゴライズされるものではない。森本の作品には、どこか奇妙さが漂っている。初見ではわからない、その入り口をつかむことで、ものの見事に当たり前に見えていた世界が歪み、動き出す不思議な感覚を得ることができるだろう。
【展覧会概要】
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■展覧会名:森本愛子個展
■会期:2018年4月13日(金)~ 5月6日(日) 12:00-18:00
■休廊:水曜・木曜
■会場:ラディウムーレントゲンヴェルケ (東京都中央区日本橋馬喰町2-5-17)
■tel/fax:03-3662-2666
■URL:http://www.roentgenwerke.com/
■mail:info@roentgenwerke.com
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森本愛子個展 フォトギャラリー
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