La main gelée, 2000 © Sarah Moon
シャネル・ネクサス・ホールは、2018年度の展覧会第二弾として、フランスを代表する女性写真家、サラ ムーンの個展「D’un jour à l’autre 巡りゆく日々」を開催いたします。
現代において最も注目される写真家の一人であり、また映像作家としても高く評価されるサラ ムーンは、30年以上にわたり世界の第一線で活躍し、独自の幻想的かつ深淵なイメージを創出してきました。そのサラ ムーン自身が構成を手がける本展覧会は、日本初公開作を中心に、新作も含めた約100点が出展される予定です。また、タイトルが示す通り “時の流れ”が重要なテーマとなっていますが、これはサラ ムーンが作家人生を通じて追究してきた主要な関心ごとの一つでもあります。優雅なたたずまいのモデルやファッション、鳥や象などの動物たち、自然の風景等々を写しながら、時の儚さを示唆し、追憶やノスタルジーを観る者の心に喚起させる独自の作品世界は、まさにサラ ムーンのみが表現しえるものです。
作品に描き出す物語について、サラ ムーンは次のように語っています。
「私が写真に表現できるのは、対象が何であれ、それを見るという経験を通して自分が感じるエコー(こだま)だけなのです。だから、実際の現実とは違っています。
自分の人生を語り始めたら、それはもうフィクションであるように、ものごとはいったん語られてしまえば、別の物語に変容してしまうもの。それは、写真も同じなのです。」
サラ ムーン 写真家、映像作家
1960年代にモデルとして活躍した後、70年代にはファッションや広告の分野で写真家としてのキャリアをスタートさせ、シャネルを含むトップメゾンの仕事に携わった。1985年に作家としての作品制作を始め、その10年後に「パリ写真大賞」を受賞。写真集『Coincidences』(Delpire 2001年)、『CIRCUS』(何必館・京都現代美術館 2003年)、『Sarah Moon 1,2,3,4,5,』(Delpire 2008年、優れた写真集を選出するフランスの「ナダール賞」受賞) など数多くの著作がある。ロンドン、ニューヨーク、ストックホルム、モスクワ、上海等、世界各地で個展を開催。映像作品としては「ミシシッピー・ワン」(1991年) 、アンリ カルティエ=ブレッソンを追ったドキュメンタリー「Henri Cartier-Bresson Point d’interrogation」(1995年)、「Robert Delpire Le montreur d’images」(2009年)、「Lilian Bassman There is something about Lilian」(2002年)などがある。詩人のシャルル ペローや童話作家のアンデルセンにインスパイアされたショートフィルム5作品の他、最新の脚本・監督作品は「5h-5」(2012年)。
【展覧会情報】
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会期:4月4日~5月4日
会場:シャネル・ネクサス・ホール
住所:東京都中央区銀座3-5-3 シャネル銀座ビルディング4F
時間:12:00~19:30
入場無料、無休