楽園への歩み,ニューヨーク郊外,1946 年 © 2017 The Heirs of W. Eugene Smith
展覧会概要
ユージン・スミス(1918-1978)は,写真史上,もっとも偉大なドキュメンタリー写真家のひと りです.グラフ雑誌『ライフ』を中心に「カントリー・ドクター」,「スペインの村」,「助産師」, 「慈悲の人」など数多くの優れたフォト・エッセイを発表し,フォト・ジャーナリズムの歴史に 多大な功績を残しました.とりわけ日本とのかかわりが深く,17 歳のときニューヨークで偶然で あった日系写真家の作品につよい感銘をうけ写真の道を志すきっかけになったこと,太平洋戦争 に従軍して,戦争の悲惨で冷酷な現実をカメラで世に伝えんとして自らも沖縄戦で重傷を負った こと,戦後の日本経済復興の象徴ともいえる巨大企業を取材した「日立」,その経済復興の過程で 生じた公害汚染に苦しむ「水俣」の漁民たちによりそった取材などがあります. 本展覧会は,生誕 100 年を回顧するもので,スミス自身が生前にネガ,作品保管を寄託したア リゾナ大学クリエイティヴ写真センターによる協力のもと,同館所蔵の貴重なヴィンテージ・プ リント作品を約 150 点展示します.情報あふれる現代社会に生きる私たちにとって,ジャーナリ ズムの原点をいま一度見つめ直すきっかけになることでしょう.
生誕 100 年 ユージン・スミス写真展 フォトギャラリー
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