日仏両国が共同で推進する、人間国宝の技と美の結晶の展覧会
日本の人間国宝の制度を基に、1994年にフランスにおいても人間国宝制度(メートル・ダール/Maitre d' Art)が策定されました。2017年9月12日~11月26日。そのフランス人間国宝の海外初の展覧会「フランス人間国宝展」が東京国立博物館の表慶館で開催されます。フランスの伝統技術に現代の息吹を加えたフランス人間国宝の作品は、世界の王族、貴族に愛され、各国の国立美術館にも収蔵されています。本店では、フランス人間国宝の作家を中心に15名の匠たちが選ばれ、珠玉の作品を展示します。日本の工芸作家との共同制作作品も展示される予定です。翌2018年は日仏友好160周年記念にあたり、2018年11月から2019年2月には日本の工芸作家とフランス人間国宝の共同展覧会が、ルーブル宮殿内のパリ装飾芸術美術館の創立150周年を記念して開催される予定です。伝統的な技と美の継承と啓蒙、そしてさらなる進化。国境を越えた手仕事の魅力と未来を、次世代の子ども達や若者にも広く紹介します。
フランス人間国宝(メートル・ダール)とは
フランス人間国宝(メートル・ダール/Maitre d' Art)は、フランス文化・通信省により、伝統工芸の最高技能者に授与される称号です。1994年、日本の重要無形文化財認定制度(通称「人間国宝」)にならってつくられ、ユネスコにも登録されています。熟練の技、ノウハウの希少性、工芸分野の革新への貢献を高く評価するものであり、認定を受けた者は自身の技術を弟子に継承する使命を負います。2016年現在、認定者は124名。フランスには、工芸の賞としてMeilleur Ouvier de France(MOF/国家最優秀職人認賞)やEntreprise du Patrimoine Vivant(EPV/文化遺産企業認定)などが存在しますが、メートル・ダールが最も権威ある称号とされています。